大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

仙台高等裁判所 昭和29年(う)276号 判決

刑法第九十五条第二項の公務員は当該処分をなす権限を有する者を指すことは所論のとおりであるが、右規定はひろく公務員の職務行為の自由を保障し、これを侵害する行為を処罰する趣旨であるから、同条項にいわゆる処分とは即ち公務員の職務上為し得べき行為を指称し、苟も公務員の行為にして法令に基きその職権内に属する以上は直ちに特定の法律関係を確定すると否とを問わずこれに該当するものというべきである。本件において、原判決挙示の証拠によれば、本件犯行は原判示福祉事務所長菊地鎌吉が原判示の如く都玉蓮からの生活保護開始の申請を却下した後のことではあるけれども同所長は生活保護法第二十五条昭和二十七年盛岡市規則第三十六号第二条第二号に基き職権により更めて都玉蓮に対する生活保護の開始決定をなす権限のあることが明かであるから、同所長が当該処分をなす権限を有する公務員であること勿論である。

〔後略〕

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!